ハリネズミ系男子!
それは独占欲なのでは?
お昼休みに入ってすぐのこと。
「咲茉ちゃーん」
矢城先輩と久遠先輩が廊下にいるのを見つけて、あたしは目を丸くした。
「王子さまだ」とか「久遠先輩もいる」とか、女子からの黄色い声に先輩2人は無反応。
……いや、矢城先輩だけは手を振り返していた。
「一緒にお昼食べようよ」
「へ?」
「だって咲茉ちゃん暁斗の彼氏なんだし普通でしょ」
にっこりと王子さまのようなキラキラした笑顔を見せた矢城先輩に、いち早く反応したのはクラスメイト達。
女子は悲鳴のような声を出し、男子は嘆くように項垂れている。
「さ、行こう」
少し強引気味に矢城先輩に背中を押され、あたし達は教室を後にした。