好き避け夫婦の秘めごと 7年越しの初夜
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はむはむと焦らされる甘いキスが、何故かピタッと止んだ。
私、何か変なことをしてしまったかしら?

恐る恐る目を開けた、その時。
滾るような眼差しが注がれていた。

「やっっべぇ、キス顔、マジ堪んねぇ~っ!写真撮っちゃダメ?」
「ッ?!!」

何っ?!
キャラ変??
ゲームに没頭してる時の士門さんみたい。
って、これが素の彼!?

彼の親指が唇を割って入って来た。

「ちょっとだけ口開けてて」
「ひぇっ……?」
「あ゛ぁぁ~~っ、これも捨てがたい~っ」
「………」

TL漫画で嫌というほど学んで来たけれど、こういう方向性?は初めてかも。
煽るように彼女をその気にさせるテク?
さ、さすがっ、……経験豊富な上級者だ。

妖艶な眼差しに見惚れていると、スーッとバスローブの裾から彼の手が滑り込んで来た。

「んんっ…」
「もっと聞かせて」
「っっ」

うっとりと酔ってしまいそうな甘い声。
彼はわざと私の耳元に囁いた。

「ひゃっ」

熱い舌先が耳を舐めなぞり、耳朶が甘噛みされた。
そして、そのまま首筋に顔を埋めた彼は、チュッとリップ音を響かせながらゆっくりと這い下ってゆく。


バスローブの紐が解かれ、襟元から彼の手が滑り込んで来た。

今夜、私は本当の意味で、彼の妻になるの?

考えたこともなかった。
結婚したばかりの頃は、淡い期待を抱いた時期もあったけれど。
月日が過ぎてゆくうちに、その淡い期待はいつしか完全に消え去っていたから。

こんな風に求められることが私の人生で起こるだなんて。
本当に夢じゃないわよね……?

「……士門さん?」
「そんなに煽らないで」

バスローブがはだけて、完全に彼の視界に下着姿の私が……。

「やっぱり、待って!」
「へ…?」
「はっ……初めての時は可愛い下着でいたいし、ちゃんと心の準備がしたいですっ!……ダメですか?」
「………っんだよっ!!そんなかわいいおねだりされたら、我慢するしかねーじゃんっ」
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