好き避け夫婦の秘めごと 7年越しの初夜
「あまり根掘り葉掘り聞くのもどうかと思って聞けずにいたんだけど、体は大丈夫なの?」
「……はい。痛みがあるとかでもないですし、元々生理不順だったので、気付かなかったくらいですから」
「そっか……。辛い時は無理して俺に付き合わなくていいからね?」
「へ?」
「日にちでリクエストの日を決めたけど、それ以前に健康あってのことだからさ」
「……はい」
「ホルモン療法って、結構大変だってうちの社員が言ってたから」
「……」
「あっ、俺が聞いたわけじゃなくて、その社員から聞いたって言うか……。不妊治療をしてる夫婦なんだけど、結構頻繁に通院してて。奥さんの送り迎えするために、仕事抜けたりしてるから」
「……そういうことで、士門さんの会社では融通が利くんですね」
「IT企業のメリットでしょ」
ALKは男性社員でも育児休暇がとれると、以前聞いたことがあったけれど。
あの強欲な父親が褒めちぎるほど認めた人。
先見の明を持っていて、常にアグレッシブに行動する力も持っている。
家に閉じこもっているだけの私とは全然違う。
「俺一人っ子だから、ちょっと憧れてるんだよね」
「……何にですか?」
「兄弟?姉妹でもいいんだけど、自分の子供と胡桃を取り合うのが夢で」
「……え?」
「フッ、分かんないよな。男のロマンっつーか。俺の方がママのこと、何でも知ってるって独占欲剥き出しにしてマウント取りたいんだよね」
「……」
「縄張り意識って言えば分かる?」
「子供相手に?」
「そう、子供が相手でも」
「……」
「何人子供がいようが、俺が1番愛される自信あるからね」
「……っ」
「だって、子供はいつか自立して巣立つけど、俺は死ぬまで胡桃の傍を離れるつもりないから」
「っっっ」
こういう恥ずかしいくらいキザなセリフもポンポン言ってのける彼。
ホントに、旦那様として1000点満点だわ。