好き避け夫婦の秘めごと 7年越しの初夜
好かれるための努力
結婚して7年が経とうとしている。
けれど、7年前と殆ど変わっていない。
それでも1つだけ上げるとするならば……。
私がお酒を飲めるようになって、たまに彼の晩酌に付き合うようになった。
彼はかなりの酒豪で、殆ど酔った姿を見たことがない。
余程仕事で疲れているか、体調不良でない限り、いつだって先にダウンするのは私の方。
私は缶ビール2本が限界で、いつも酔い潰れて寝てしまう。
気づくと朝になっていて、自室のベッドに寝かされている。
晩酌の相手をする時は二谷を自宅に帰してからスタートするから。
必然的にベッドへと運んでくれているのは士門さん。
酔い潰れた妻を抱えてベッドに運ぶ。
それも、とびきりイケメンな旦那様が。
隠しカメラでも設置したいところだけど、見つかったら即離婚問題に発展するんじゃないかと思えて、実行に移したことはない。
晩酌と言っても、食事をしながらお酒を酌み交わすというのとは少し違う。
彼の仕事でもあるゲームリサーチを、彼と一緒にしながらお酒を飲む程度。
ゲーム自体は初心者だった私がセミプロの彼にしごかれ、最近ではかなり名の知れたゲーマーになりつつある。
書斎での彼の仕事のことを二谷に話していないから、二谷を帰らせてからスタートしているというもの。
士門さんとの時間はちょっとスリリングで、凄く楽しい。
私に知らない世界を沢山見せてくれる。
女性の扱いが上手だし、父親が言うように話も上手。
普段のクールな彼ではなく、ゲームをしている時は人格が変わるほど、彼は幾つもの顔を持っている。