私の白王子と黒王子

プロローグ

陽が沈みかけていたあの日。


気づいたら近くに父様はいなくて、私は1人ぼっちだった。


あたりはどんどん暗くなって、空気は冷たくなっていく。


父様、私はここだよ——!


そう叫びたいのに、恐怖と不安で声が出ない。


私はその場に座り込んでただ涙を流すことしかできなかった。
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