私の白王子と黒王子
類は私の行きたい所全部に付き合ってくれた。


大通りを手を繋いで歩きながら、気になったお店に入っていく。


洋服屋さんではお互いのコーデを組んだりもして。


はしゃぎすぎたのか、お腹が空いてしまった私にクレープも買ってくれた。


「帰ったら夜ご飯なので綾子さんには内緒ですよ」


自分の口に人差し指を当てる仕草がちょっと子供っぽくて可愛い。


7年も一緒に暮らしているけど、まだまだ知らない類がたくさんあるんだなぁ。


「類も食べていいよ」


「ではお言葉に甘えて」


類はいつもより控えめに口を開けて端の方を齧った。


もっとたくさん食べて良かったのに。


でもこれで共犯だね、なんて話していたら、類の唇の端に白いクリームが付いていた。
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