私の白王子と黒王子

私を見て面白がる男たちに背を向けて、類が私の前にしゃがみ込む。


「大丈夫ですよ。すぐ終わりますから、目を閉じて待っていてください」


類はニッコリ笑って自分が着ていたジャケットを私の頭から被せてくれた。


そして男たちに向き合うや否や、類と追手４人によるバトルが始まった。


相手はナイフなんかも取り出して類に切り掛かってくる。


類はそれを避けながら、確実に相手にダメージを与えていく。


殴る音、殴られる音、刃物が洋服の繊維を切り裂く音がするたび、私は思わず目を瞑りながら戦況を見守る。


圧倒的に不利だったはずの類は、あっという間に敵を倒していき、４人目の男を地面に転がした。


終わった……！