私の白王子と黒王子
「アイツが見たらどんな顔するかな」


男は私の耳元から首筋をなぞるように唇を這わせていく。


「あ、なた……名前はなんていうの?」


私は平静を装うのに必死だった。


全く怖がってなんかいないんだと思わせたかった。


「……蓮」


「れ、ん……」


蓮が私の制服のボタンを順番に外していく。


胸元に当たる彼の指の冷たさに体がビクッと反応してしまう。


「セナ、だっけ? そう構えんなよ。時間はたっぷりある」


あぁ最悪だ。


いっそのこと、ずっと寝たふりをしておけばよかった。


私は目を閉じて唇を噛み締める。


お願いだから、早く終わって——!
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