私の白王子と黒王子
家に帰ってからも、私は唯に言われたことがずっと引っかかっていた。


昔の話をした時、類に心当たりはなさそうだったし、あの十字架のネックレスを持っているのが類だけだとは言っていなかった。


それは私が勝手に思い込んだことだ。


双子の兄弟なら、蓮さんも同じネックレスを持っていてもおかしくないわけで。


もし私がずっと王子様だと思っていた人が蓮さんだったら——?


「……こんなこと、考えたくないよ……」


私はベッドの上で体育座りをして膝に顔を埋めた。
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