私の白王子と黒王子
『西宮聖奈チャンかな?』
初めて聞く声だった。
でも危ない相手だということは確かだ。
「……どちら様ですか?」
『ん〜そうだなぁ。こう言えば伝わるか。お宅のボディーガードは元気かい?」
「!!!」
私はハッとした。
電話の向こうにいるのは、類たちを事故に遭わせた人の仲間なんだ。
「あなたたちがあの事故を仕組んだんですか? うちのボディーガードを狙ったんですか?」
『質問が多いなァ。そんなに知りたいなら直接聞きにおいで? 明日の夕方、お嬢様をお迎えに上がりましょう。ただし、1人で来るんだ。誰かに話しちゃいけないよ? 今度は大事なお父様があの世行きだ』
「分かった!! 誰にも言わない! 絶対に1人で行くから! だからっ! お願いだから、私の大切な人たちに手を出さないで!!」
『物分かりがいいお嬢様で助かるよ。それじゃあ明日。会えるのを楽しみにしてるよ』
——ツー、ツー、ツー
あの事故は私のせいなんだ。
私のせいで、佐々木さんと類は怪我をした……。
「私のせいで……2人とも、ごめんね……ごめんね……」
私は床に崩れ落ちるようにして、何度も何度も謝り続けた。