私の白王子と黒王子
傷口にハンカチを当てると、蓮さんは少し顔を歪めた。


「痛いですよね……ちょっとだけ我慢してくださいね」


「……別に」


私のため……ではなかったかもしれないけど、こんなにボロボロになってもあの人に反発してくれたんだ。


「さっきはありがとうございました」


「オマエ、なんでノコノコこんなとこ来た? あの番犬が黙ってるとは思えねぇんだけど」


「類は今入院してるんです……私のせいで、さっきの人たちに狙われて……」


「え……」


やっぱり、蓮さんは何も知らなかったんだ。


離れていても双子の兄弟だ。心配に決まってる。


「でも順調に回復してるので、そこは心配しないでください!」


「なんで俺がアイツの心配なんて……」


「類から聞きました。双子の兄弟なんですよね」


「……アイツ呆れてただろ。俺がこんな人間になってて」


「心配してました。施設を出てから連絡も取れなかったって」


確かに類は、口では色々言っていたけど、それ以上に心配していたし、生きていることが分かって安心していたように見えた。
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