私の白王子と黒王子
私の王子様
——ガッシャーーーン
ガラスが割れたような音と共に、廊下が騒がしくなる。
「な、なにごと⁉︎」
「きたんじゃねぇの? ボディーガードさんが」
蓮さんの言った通り、無理やり開けられた扉から、まだ左腕をギプスで固定したままの類が飛び込んできた。
「聖奈様っ!」
「類!!」
類はすぐに私たちの拘束を解いてくれた。
「怪我はありませんか?」
「うん、大丈夫。蓮さんが一緒だったから……」
「そうでしたか……」
私は類に支えられながら立ち上がった。
蓮さんは気まずそうな顔で座ったまま。
いくら兄弟でも、急に元通りってわけにはいかないか。
でも類が蓮さんに背を向けたまま言った。
「まだ動けるだろ? お前にも働いてもらうからな、蓮」
それは類なりに、蓮さんを思ってかけた言葉だった。
「ふっ……人使い荒い兄貴だな」
心なしか、蓮さんはホッとして嬉しそうな顔をしていた気がする。
ガラスが割れたような音と共に、廊下が騒がしくなる。
「な、なにごと⁉︎」
「きたんじゃねぇの? ボディーガードさんが」
蓮さんの言った通り、無理やり開けられた扉から、まだ左腕をギプスで固定したままの類が飛び込んできた。
「聖奈様っ!」
「類!!」
類はすぐに私たちの拘束を解いてくれた。
「怪我はありませんか?」
「うん、大丈夫。蓮さんが一緒だったから……」
「そうでしたか……」
私は類に支えられながら立ち上がった。
蓮さんは気まずそうな顔で座ったまま。
いくら兄弟でも、急に元通りってわけにはいかないか。
でも類が蓮さんに背を向けたまま言った。
「まだ動けるだろ? お前にも働いてもらうからな、蓮」
それは類なりに、蓮さんを思ってかけた言葉だった。
「ふっ……人使い荒い兄貴だな」
心なしか、蓮さんはホッとして嬉しそうな顔をしていた気がする。