俺が貴女を護ります~エリート海上自衛官の溺愛~
「そういえば、なんであの時、俺でいいじゃないなんて言ったの? 私、なんにもいいところないのにさぁ。だって航平くんって防大卒ってことはエリートじゃん? もっといい条件の人もいるだろうし。なんか、ほんとにいいの? 私なんかで、って私が心配しちゃうよ」

 結芽はくだけた言い方で、純粋な疑問を雑談の一部として投げかける。

「……俺は結芽のことが好きだったんだ、転校する前、同じクラスだった時からずっと」
「えっ……? でもそれ、何年も前のことだし、それに航平くんは転校しちゃったじゃん」
「ずっと、好きだったんだ。だから、あの日、婚活パーティーで再会して、正直運命だと思った──」

 航平は遠くを見るような目で、ぼそりと告白する。
 そういえば、なんとなくの流れで交際を開始して理由など聞かないまま初デートを迎えていた。
結芽は後になって先程の発言は航平の考えの深いところを掘り下げるだけでなく、自身への思いも明らかになるのだと気づき、急に胸の鼓動が大きくなっていく。

「なんで、私」
「俺はあまり友達が多くない。それをイジるようにからかってきた男子がいたんだ。俺は別に何を言われようと気にならなかったが……その馬鹿にしたような態度はエスカレートしていったあたりで、そいつらに怒鳴りつけた女子がいてな」

 航平は結芽を見つめる。

「えっ、私!?」
「そう。俺をかばってくれたんだ。当時の俺は、その時から結芽のことが気になって仕方なかったんだ。それから俺のことを気にかけて話しかけてくれたりして。なんというか。可愛いなって純粋に惹かれた。それからは、今度は俺が護りたい、結芽を護れる男になりたいって思うようになった」
「へぇ、そうなのね」
(じゃあ、あの時言っていた護りたい人ってまさか私……? いや、さすがにそれは自意識過剰かしら)
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