俺が貴女を護ります~エリート海上自衛官の溺愛~
夏希との飲み会から1週間後。航平が出港してから3週間が経過した。
航平との交際をスタートしてから、結芽の母は以前よりも結芽に対して悪態をつくことが増えていった。
そのせいか、結芽の精神は自宅であっても休まることはなく、やがて仕事にも支障をきたすようになっており、このところ凡ミスが増えていた。
それも相まって結芽の精神状態はとてもよい状態とは言えないものであった。
「あんたばっかりいい思いしてさ。誰のおかげで生きられていると思っているの? あんたの稼ぎじゃひとりで暮らせないから仕方なく一緒に住まわせてやっているっていうのに、私には何も寄越さない。あんたには感謝の気持ちっていうのはないわけ? あんたみたいな女と付き合っている相手も相手よ。海自の幹部なら、あんたよりもっといい人もいるでしょうに。なんであんたを選んでいるのやら」
「……お金なら今月はもう3万渡したじゃない……それに航平くんのことを──」
「はぁ? 親に口答えする気?」
仕事を終えて帰宅すれば、母とも呼びたくない存在の女が、仮にも自分の娘である結芽を罵り、幸せになる未来を否定する言葉を浴びせてくる。
自分のことだけならともかく、航平を悪く言うようにもなってきていたが、結芽は反論することができない。