俺が貴女を護ります~エリート海上自衛官の溺愛~
そんな自分が嫌になる。いつも航平に護られ、愛され、与えられ、それらを受け取るだけの自分。
何ひとつ航平にお返しができていない。こんな言葉からすらも航平を護ることができない。そんな自分が不甲斐なく、悔しい。
昔から変わらない女からの言葉の暴力は、結芽の自己肯定感を低下させるだけでなく、自分という存在を自分自身が否定してしまうようにさせた。
「ごめんなさい……」
大人になってもそれは変わらなかった。早くこの家から出ることが問題解決には必要であるとわかっている。
それでも出来ないのは、経済的な理由だけではなく母と娘という関係性の呪縛もあるのだろう。
結芽は自室にこもって、母が部屋に入られないように引き戸に棒を斜めに置いた。
そして、スマートフォンを見る。何度見てもメッセージは0件。
「航平くん……」
結芽はベッドにうつ伏せになって枕に顔を埋めた。シンと静まる部屋の外から女が電話をしている声がしてきて、外に出かける準備を始める。
何ひとつ航平にお返しができていない。こんな言葉からすらも航平を護ることができない。そんな自分が不甲斐なく、悔しい。
昔から変わらない女からの言葉の暴力は、結芽の自己肯定感を低下させるだけでなく、自分という存在を自分自身が否定してしまうようにさせた。
「ごめんなさい……」
大人になってもそれは変わらなかった。早くこの家から出ることが問題解決には必要であるとわかっている。
それでも出来ないのは、経済的な理由だけではなく母と娘という関係性の呪縛もあるのだろう。
結芽は自室にこもって、母が部屋に入られないように引き戸に棒を斜めに置いた。
そして、スマートフォンを見る。何度見てもメッセージは0件。
「航平くん……」
結芽はベッドにうつ伏せになって枕に顔を埋めた。シンと静まる部屋の外から女が電話をしている声がしてきて、外に出かける準備を始める。