俺が貴女を護ります~エリート海上自衛官の溺愛~
「今日も可愛い」
「航平くんくらいだよ、こんなに何回も可愛い可愛いって言ってくれるの」
「思っていることは言った方がいい。思うだけじゃ伝わらないし」
「そうだね」

 航平の言葉に結芽はどきりとした。それは今の自分にも刺さるからだ。
 少しだけ暗い顔になってしまったが、すぐにいつもの表情に戻す。今日のデートで自分の思いに正直になれたらそれでいい。結芽はひとつの目標を持って車に乗った。

◆◆◆

 百貨店は人が多く、よそ見するとはぐれてしまいそうな状況であった。
 すると航平はスっと手を腰に当てて腕を結芽の前に差し出す。

「手だと恥ずかしいかなって」
「……ありがとう」

 結芽のことをしっかりと理解してくれていることがわかる発言に、航平の愛を感じた。
 結芽は素直に腕に手を添え、隣に並んで歩く。

 ここは4階建ての百貨店ではあるが、面積が広く、かなりの数のショップが揃っている。その中には有名なジュエリーやバッグのブランド、コスメなど女性向けのものもあれば、紳士スーツの専門店や紳士靴の専門店など様々だ。

 今日の服装は上品に見える袖は肘ほどまでの深緑のロングワンピースで、ウエストの部分を黒のリボンできゅっと締めている。
 自分が持っている服の中でいちばんシンプルでありながら綺麗で上品に見えるものだ。
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