俺が貴女を護ります~エリート海上自衛官の溺愛~
 それからジュエリーショップでは1時間程度滞在し、結芽が気に入ったものを航平が購入しプレゼントとして贈った。
 そして、そのネックレスは今、結芽の首元で華やかに煌めいている。

ふたりは今、百貨店でのウィンドウショッピングを終えて、ディナーのために高層階のフロアに店を構えるホテルのフレンチレストランにいた。このレストランではコース料理を3時間程度楽しむ予定だ。

「素敵なプレゼント、ありがとう。私こんなに高価なネックレスってもちろん買ったことももらったこともないし、庶民の私に似合うのかなって付けるのが恥ずかしいし、躊躇っちゃうかも」
「似合っているよ。そのシンプルなデザインが上品で結芽にぴったりだと思う」

 シルバーの滑らかな細かいチェーンは鎖骨下あたりまでの長さで、雫モチーフの小ぶりなダイヤモンドが暖色の照明に照らされ、繊細に輝く。
 ネックレスにはめこまれた宝石は鮮やかな淡い海色のアクアマリンであった。色とりどりの宝石がある中で、結芽が選んだのはアクアマリンであったのには理由がある。
 アクアマリンはラテン語で「海の水」を意味する。澄んだ海を思わせるその宝石は、航平がいない間であっても、航平と繋がっているとネックレスを見たり、身につけたりすれば感じ取れる気がした。
 だから、アクアマリンを選んだのだ。
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