俺が貴女を護ります~エリート海上自衛官の溺愛~
 簡単に身体を洗ってシャワーを浴びている最中、互いの裸体を初めて見たふたりは、目線をあからさまに逸らし、見ていませんよと主張するかのようにしていたが、航平が抱きしめたい欲を抑えきれずに結芽を後ろから抱きしめると、鏡に映った自分たちを見た。
 肉付きも身長も体格もまったく違う男女の性別による構造の差にお互いが興奮してしまう。
 触れたらどうなってしまうのか。どきどきしてしまう。
 ふたりは向かい合って身体の泡を流しながら、磁石が引かれ合うように距離を縮めていき、口づけをする。

 夢中になって甘美な舌を味わっていると、航平の中心部が硬度を増して結芽の柔らかな下腹部に押し付けるようになってしまい、結芽が気づいたところで一旦、唇を離した。
 しばらく蕩けた目つきで見つめ合った後、はっとしたところでシャワーを止めてタオルで身体を拭いて部屋に戻る。

用意されていたバスローブに身を包んで広いベッドにふたりは隣に並んで座った。
 ガラスのローテーブルに置いてあるペットボトルの水を飲むと、だんだんと冷静さを取り戻してきて、視覚や聴覚がクリアになった気がする。
 航平は結芽の手の上に自身の手を重ねて、指先をすりすりとくすぐるように擦ると、結芽の指はびくりと跳ねた。

「ははっ、くすぐったいよ」

 敏感な指先を優しく擦られると、くすぐったくなってしまい思わず笑ってしまう。

「よかった。顔がこわばっていたから。大丈夫、心配しなくていい」

 航平が目を細めて優しく笑いかける。その愛おしい人の笑みに、心が和む。
 結芽は身体を傾け、航平の肩に頭を添える。すると、航平は結芽の肩を抱き寄せ徐々に腕の方に手を滑らせる。
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