俺が貴女を護ります~エリート海上自衛官の溺愛~
「航平くん」
「結芽」

 結芽が航平の名を呼び、そちらの方を見ると航平も結芽を見つめていた。
 結芽がそっと目を閉じると、航平はゆっくりと唇を重ねる。
 ちゅ、と軽いリップ音が控えめに発せられると、回数を重ねるごとに角度を変えて深い口づけへとなっていく。

「ぁ、うっ」
「結芽……」

 ベッドに押し倒された結芽は目線を外して航平の真っ直ぐ貫くような瞳から逃げる。逃げることはできないし、もう後には戻れない。
 それを結芽は理解して、身を委ねるのだ。

「本当に……可愛い」
「もう、恥ずかしいって」
「じゃあもっと可愛いと言うよ。君がもう嫌だと思うくらい可愛いと言うよ」
「……いいよ。いっぱい言っても」
「結芽……!」

 バスローブを脱がせて、火照った肌が露出する。少しだけ寒くて結芽はぶるりと震えた。

「俺、今ものすごく身体が熱いから。抱きしめたら暖かくなるよ」

 航平もバスローブを脱いで結芽を抱きしめると、じんわりと航平の体温が伝わる。
 航平の鍛えられた胸板と腕にすっぽりと収まってしまう体格差にどきっとして、結芽は胸の鼓動が早くなっていく。
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