俺が貴女を護ります~エリート海上自衛官の溺愛~
 土曜日。
 航平の家を訪ねると、1人暮らし用のアパートでこぢんまりとした部屋であった。
必要最低限の家電しかなく、ほかはベッド、座椅子とローテーブルのみ。衣服は恐らく備え付けのクローゼットの中に収まっているのだろう。
それと、筋トレ用のダンベルや腹筋ローラーなどが置いてあるだけ。

「基本的に家にいないからこんな感じになってしまう。自分だけの生活だと尚更」
「まぁそうよねぇ」
「去年までは特に家にいることあまりなかったしな……AOCっていう幹部上級課程を履修することがあれば、そこに通うためにここ使うこともあったけど」
「そうなんだ」

 普段の雰囲気から、厳格で冷静なところもうかがえる航平から始めてエリート自衛官としてのキャリアを着実に積み重ねているのだとわかるワードが出てきて、結芽は気が引き締まる。

「結婚するとなれば、結芽には苦労をかけるかもしれない。これからは全国区での転勤も2~3年に1回はあるだろうし」

 そう言いながら、航平はコーヒーを淹れてくれる。そして、マグカップをテーブルに置いてふたり掛けの座椅子に座ると、結芽に隣に座るように促されたため隣に座った。
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