俺が貴女を護ります~エリート海上自衛官の溺愛~
「そう。ならいいんじゃない? あんたがもし別れることになったって知らないよ。私は反対だけど。あんたがそうやって決めたんならいいんじゃない? ただし、もし離婚した時とか、うちに戻ってきても住ませてやらないから」

 母はまたいつものような物言いをする。

「すみませんがお義母さ──」

 航平は、自分の娘である結芽が幸せになろうとしている時ですら祝福しようとしない結芽の母の態度に物申そうとする。

「何よ! 私がこの家を出て結婚して幸せになるのがそんなに嫌だって言いたいの!?」

 結芽が怒鳴るように腹から思いっきり声を出す。航平と結芽の母はその初めて見る結芽の姿に目を丸くする。

「いやそんなつもりじゃ……」
「そんなつもりじゃない? 言い訳よそんなの。私が結婚する時くらい、お祝いしてくれたっていいじゃない! それに私がなんでお母さんに仕送りしなきゃいけなんだか。訳がわからないわ。もうこの家から出るんだから関係ないでしょ! 今まではこの家に一緒に住ませてもらっていたから仕方ないと思って渡していたけど、今のお母さんに渡したいと思えないし、渡す理由もない! いいからとっとと私らの結婚を認めてここに書けーっ!」

 後半になるにつれ、どんどん早口になっていく話し方は、沸点を越えて怒りを表出した様子であった。はあ、はあ、と肩を大きく上下させて荒く呼吸をする結芽。
 母にどれだけ言葉で伝えても理解されないし、受け入れてもらえないことがわかったのもあり、今までの感情が爆発したのもあり、こうなってしまった。
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