契約シンデレラ
「元、許嫁だろ」
不機嫌そうな圭史さんの声。

「そうだったかしら」

ん、どういうこと？
なんだか頭が混乱してきた。

咲奈さんの見た目は２０代前半。
身長は１６０センチほどの細身で色白、ぱっちりとした目が印象的な美人さん。
童顔で子供っぽい私とは正反対の人だ。

「お互いの祖父同士が勝手に決めた許嫁だ。俺はすでにその気はないとお断りしたはずだが？」
「でも、恋愛は自由のはずですから」

圭史さんと咲奈さんは本当に許嫁同士だったらしい。
そのこと自体かなり時代錯誤だとは思うが、由緒ある家では珍しくないのかもしれない。
そして、圭史さんはおじいさまが勝手に決めた結婚を受け入れるつもりは無く、そのことは先方のお家にも伝えている。
しかし、お相手である咲奈さんは圭史さんとの結婚を望んでいる。
どうやらそういうことらしい。
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