契約シンデレラ
大阪までは飛行機で1時間半。
急なことだったのにすぐにチケットをとることができほぼ待ち時間もなく搭乗できたせいで、明るいうちに大阪へ着くことができた。
そして、到着した空港には圭史さんが手配した車がすでに待っていて、私たちはそのまま父がいるという病院へと向かった。

「すみません、星野純一の家族ですが」
「ああ、はい。3階の救急病棟301号室に入院中です」
「ありがとうございます」

受付で声をかけるとすぐに病室を教えてくれた。
衰弱はしていても病気やけがをしているわけではないと電話で確認はしているが、やはり顔を見るまでは安心できない。
私は無意識のうちに早足になり、圭史さんのことも忘れて階段を駆け上がっていた。
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