契約シンデレラ
「もしかして、私が疑われているの？」

理由はわからないけれど、真也さんがわざわざやってくるってことはそうとしか考えられない。

「情報源を調べていくと、晶の名前が出てきたんだ」
「そんな・・・」

確かに、看護師の資格を持ち医務室でも勤務する私はカルテの閲覧権限ももらっているしその気になれば社員のカルテを見ることもできる。
でも、私はそんなこと絶対にしていない。

「俺だって、晶が犯人だと思っているわけではない。ただ、医療記録にはプライベートな内容が多く含まれているから、一大事ではあるんだ」
「ええ、それはわかっています」

まずはなぜそんなことになったのかを調べなくてはいけないし、誰かが故意で行ったことであれば刑事事件にだってなりうる。
看護師として勉強する中で、個人情報を厳守することやカルテの内容を決して外に漏らしてはいけないことは何度も教えられてきたから、その重要性は私だって理解している。

「晶に心当たりはないんだな？」
「はい」
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