契約シンデレラ
私の勤務先にいきなり現れた派手な風貌の男性。
それは借金取りだった。
とはいえ一般的な街金ではなく、もともと東京で画廊を開いていた人で、父さんの元友人。
今は廃業したようだが、お金が無くなった父さんがいつも頼る人で、当然私とも面識がある。
きっと今回だって、父さんが私の勤め先を話してしまったんだろう。

「久しぶりだな、晶」
「ええ」

年齢は40代。今時見ない大きなサングラスと派手なシャツを着て、オールバックにした髪型に金ぴかの時計や装飾品を身につけたチンピラ風の男性。

「いいところに勤めたんだな」
言いながらあたりを見回す視線はどこか値踏みをしているようにも見える。

「それで、今日はどうしたの?」
おおよその見当はついていながらも、私は尋ねてみた。
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