契約シンデレラ
「おはようございます」
「ああ、おはよう」

圭史さんと共に朝食会場のレストランに向かうと、見覚えのある顔が待っていた。

「彼は秘書の森山幹人だ」
「おはようございます。私、星野晶と申します。今日から圭史さんと」
「伺っています」

圭史さんが紹介してくれたのを受けて私も一歩進み出たのだが、挨拶をしようとして遮られた。
どうやら歓迎されてはいないのだと気づき、口を閉ざした。
まあね、いきなり現れた素性の分からない女に秘書して不信感を抱くのはわからなくもない。実際私が逆の立場なら同じ反応になったと思う。

「今日は面会の予定があるので、食べたら出かけます」
「ああ」
「はい」

きっと急いで食べろという意味だろうと、私も返事をした。

「本当に同行するのですか？」
私の反応を見て、森山さんが圭史さんに聞いている。

「ああ」
「そうですか」
やはり不満そうな森山さんだが、それ以上は何も言わなかった。
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