契約シンデレラ
もう逃がさない side圭史
気難しい取引先との面会をいくつかこなし戻ってみると、秘書室に晶と海田先生が一緒にいた。
動揺を隠したい俺は挨拶も早々に社長室へと入った。
フー。
デスクに戻り、大きなため息を一つ。
今回の騒動の責任はきっと俺にある。
いまだに信頼していた森山が会社を裏切ったとは信じられないが、事実である以上は認めるしかない。
その動機に俺が少なからず関わっているのならば責任を取るべきだとも思うし、俺が頭を下げて会社や社員が守れるのならばお安い御用だ。
しかし…
「くそっ」
俺にしては、珍しく汚い言葉が口をついて出た。
思い浮かぶのは親しげに言葉を交わす晶と海田先生の姿。
以前からの知り合いだとはわかっていても、やはり面白くない。
トントン。
「失礼します」
頼みもしないのに、晶がコーヒーを入れてきた
気を使ってくれているのがわかってはいても、俺はありがとうの一言も言わなかった。
動揺を隠したい俺は挨拶も早々に社長室へと入った。
フー。
デスクに戻り、大きなため息を一つ。
今回の騒動の責任はきっと俺にある。
いまだに信頼していた森山が会社を裏切ったとは信じられないが、事実である以上は認めるしかない。
その動機に俺が少なからず関わっているのならば責任を取るべきだとも思うし、俺が頭を下げて会社や社員が守れるのならばお安い御用だ。
しかし…
「くそっ」
俺にしては、珍しく汚い言葉が口をついて出た。
思い浮かぶのは親しげに言葉を交わす晶と海田先生の姿。
以前からの知り合いだとはわかっていても、やはり面白くない。
トントン。
「失礼します」
頼みもしないのに、晶がコーヒーを入れてきた
気を使ってくれているのがわかってはいても、俺はありがとうの一言も言わなかった。