契約シンデレラ
国内でも名の知れた上場企業である龍ケ崎建設の社長であり、元は華族の血を引くと言う龍ヶ崎家の嫡男でもある俺の隣に立つのは、荷の重いことだったのかもしれない。
特に今トラブルに見舞われて苦しい状況にある中で、晶なりに思い悩むこともあったんだろう。
それでも、俺は晶が好きと伝えたつもりだ。

はあー。
大きなため息が出た。

サイドテーブルの上に起こされた小さな紙切れ、そこには「これ以上側にいる自信がありません。どうか私の事は忘れてください」と走り書きのように書かれていた。
どうやら、俺は晶に捨てられたようだ。

その時、携帯が着信を知らせた。
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