契約シンデレラ
「ん、んん」

どのぐらいの時間か口づけを交わした後、私は苦しくなって圭史さんの背中を叩いた。

「ごめん、嫌だったか?」
「そうじゃなくて・・・」

さすがにハイヒールで玄関に立ったままでは態勢も苦しいし、息だって続かない。

「嫌じゃないなら、良かった」

なぜかうれしそうに笑った圭史さんが、私の膝裏に手を回し、そして抱えあげた。

「えっ、ちょっと」
咄嗟の行動に待ってと声をあげようとしたが、圭史さんの動きは止まらない。

「言っただろ、もう遠慮はしない。本気で嫌なら殴ってくれても叫んでくれても構わないから」

そんなこと、できるはずもない。
だって、私は圭史さんのことが好きなんだから。
私はそのまま圭史さんに身をゆだねた。
圭史さんに抱えられた私は寝室へと運ばれ、ベットへと降ろされた。
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