契約シンデレラ
私が案内されたのは10畳以上はありそうな部屋。
日本で暮らしている時のアパートよりも広い空間には大きな鏡が備え付けられており、それを囲むように巨大なラックがあり何着ものドレスや靴が並べられている。
どうやらここは部屋そのものがフィッティングルームになっているらしい。

「では、始めましょうか?」

立ち尽くしていた私に差し出されたのは光沢のあるオレンジ色の生地。
それは、所々にレースの施された美しいイブニングドレスだった。

「まずはこちらからお願いします」
「は、はい」

本当にいいのだろうかと思いながら、私は言われた通りに差し出されたドレスを受け取った。
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