契約シンデレラ
「さあ、いかがでしょうか?」

渡されたドレスを着てハイヒールを履き、髪を軽くアップにしてもらったところで、私は圭史さんの元へと連れ出された。

「う、うーん」

ソファーに座ったままの圭史さんは、なぜか考え込みながら私を見ている。
この反応で、どうやら気に入らなかったのだとわかった。

「他のスタイルも合わせて見ましょうか」
案内してくれる女性もすぐに理解して、私の手を引いた。

ただ、ここからが本当に長かった。
一体何着のドレスを着たのかがわからなくなるくらい、試着を繰り返した。
かわいらしいベイビーピンクのドレスを童顔の私が着るとコスプレのように見えるし、飾り気のないシンプルなものは地味になりすぎて華やかさに欠ける。とは言え、体のラインが出るものや露出の多いセクシーなドレスは問題外。
そうやって試着を繰り返すうちに私も疲れてきた。
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