契約シンデレラ
ドレスや小物、当日の髪型やメイクの打ち合わせのすべてが終わるころにはすっかり夕方になってしまった。
また私のドレスに合わせるように圭史さんもブラックのタキシードを選び、翌日の衣装選びはやっと終わった。
「さあ、食事にするか?」
「ええ」
と返事はしたものの、私には何の決定権もない。
何しろ無駄に使えるお金はないのだから。
昨日から圭史さんと同行させてもらうことになり、日本へ帰る手配もその間の仕事と泊まるところにも困らなくなった。
だからと言ってこれからの生活に不安が消えたわけではないし、少しでも節約して日本に帰るしかない。
そのことに気が付いた圭史さんからは「もう少し出そうか?」と言ってもらったけれど、それはあまりにも図々しい気がして断った。
「少し仕事が残っているからゆっくりはできないが、ホテルのレストランでいいか?」
「え、ええ。でも・・・」
おそらく私のためにレストランへ行こうと言ってくれているのだろうと感じた。だから、
「私はコンビニのお弁当でかまいません」
気を使わないでくださいの思いを込めてみた。
実際朝も昼もホテルや外出先で美味しいものを食べさせてもらって、これ以上贅沢したら罰が当たる気さえするから、コンビニお弁当くらいでちょうどいい。
「それでいいのか?」
「はい」
圭史さんはなぜか驚いた顔をして私を見るけれど、私からすれば当然のこと。何しろ私は雇われてここにいるのだから。
「わかった、じゃあルームサービスにしよう。俺もその方が助かる。その代わり明日のパーティーでは何でも食ってくれ」
「はいはい」
ドレスを着て出席するパーティーでそんなにガツガツ食べられるはずはないと思いながら、私は笑顔で返事をした。
また私のドレスに合わせるように圭史さんもブラックのタキシードを選び、翌日の衣装選びはやっと終わった。
「さあ、食事にするか?」
「ええ」
と返事はしたものの、私には何の決定権もない。
何しろ無駄に使えるお金はないのだから。
昨日から圭史さんと同行させてもらうことになり、日本へ帰る手配もその間の仕事と泊まるところにも困らなくなった。
だからと言ってこれからの生活に不安が消えたわけではないし、少しでも節約して日本に帰るしかない。
そのことに気が付いた圭史さんからは「もう少し出そうか?」と言ってもらったけれど、それはあまりにも図々しい気がして断った。
「少し仕事が残っているからゆっくりはできないが、ホテルのレストランでいいか?」
「え、ええ。でも・・・」
おそらく私のためにレストランへ行こうと言ってくれているのだろうと感じた。だから、
「私はコンビニのお弁当でかまいません」
気を使わないでくださいの思いを込めてみた。
実際朝も昼もホテルや外出先で美味しいものを食べさせてもらって、これ以上贅沢したら罰が当たる気さえするから、コンビニお弁当くらいでちょうどいい。
「それでいいのか?」
「はい」
圭史さんはなぜか驚いた顔をして私を見るけれど、私からすれば当然のこと。何しろ私は雇われてここにいるのだから。
「わかった、じゃあルームサービスにしよう。俺もその方が助かる。その代わり明日のパーティーでは何でも食ってくれ」
「はいはい」
ドレスを着て出席するパーティーでそんなにガツガツ食べられるはずはないと思いながら、私は笑顔で返事をした。