契約シンデレラ

やはり・・・逃げます

翌日は午前中にホテルのサロンへ行き、生まれて初めてエステを体験した。
その後、メイクと髪をセットしてもらい、昨日選んだドレスに着替えた。

「やはりよくお似合いですね」
「ありがとうございます」

昨日案内してもらった女性に褒められて、私は素直にお礼を言った。
首元から肩口まで広く開いたドレスを着ることに多少の抵抗を感じながらも、私はドレスを着てハイヒールを履き鏡の前に立つ。

「ドレスの色と瞳の色が同じだから、とっても神秘的ですね」
「そんな・・・」

お世辞なのだろうとは思いながら、ここまで褒められるとかえって居心地が悪い。
困ったなとうつむきそうになった時、ドアをノックする音がした。

「入ってもいいだろうか？」
「はい、どうぞ」

聞こえてきたのは圭史さんの声で、私が返事をすると入り口のドアが開いて圭史さんが入って来た。
< 25 / 218 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop