契約シンデレラ
「えっと、看護師免許をお持ちなのですね?」
「え、ええ」
数日後、面接のためにやって来た会社の会議室で私は予想通りの質問を受けた。
就職の面接で来たからには当然聞かれるとわかっていたが、やはり曖昧な返事になってしまった。
その理由はこの後の展開が容易に予想できるからだ。
「先月までは海外においでだったと伺いましたが、現地の病院でご勤務を?」
「いえ・・・」
「では、今までの勤務経験を教えていただけますか?」
「それは・・・」
真也さんからも「総務課に採用になるが、落ち着いたら産業医である自分のサポートもお願いしたい」と言われてもいるし、東京のそこそこ名前の通った国立大を卒業し看護師免許を持った人間が今までどういう職歴なのか、採用する側が聞きたいのは当然のことと思う。
しかし・・・
「履歴書を拝見すると、昨年4月に就職された大学病院を11月で退職しておられますね?」
「はい」
「それは・・・」
面接官の視線がまっすぐに私を見ている。
「え、ええ」
数日後、面接のためにやって来た会社の会議室で私は予想通りの質問を受けた。
就職の面接で来たからには当然聞かれるとわかっていたが、やはり曖昧な返事になってしまった。
その理由はこの後の展開が容易に予想できるからだ。
「先月までは海外においでだったと伺いましたが、現地の病院でご勤務を?」
「いえ・・・」
「では、今までの勤務経験を教えていただけますか?」
「それは・・・」
真也さんからも「総務課に採用になるが、落ち着いたら産業医である自分のサポートもお願いしたい」と言われてもいるし、東京のそこそこ名前の通った国立大を卒業し看護師免許を持った人間が今までどういう職歴なのか、採用する側が聞きたいのは当然のことと思う。
しかし・・・
「履歴書を拝見すると、昨年4月に就職された大学病院を11月で退職しておられますね?」
「はい」
「それは・・・」
面接官の視線がまっすぐに私を見ている。