契約シンデレラ
その後、面接会場となった会議室は沈黙に包まれた。
面接官としては私が退職した理由を聞きたいのだろうが、昨今のコンプライアンスの状況からうかつなことが言えずに黙ってしまったようだ。
まあね、どんなことでもすぐにハラスメントになる時代だもの、面接官としてはこれ以上踏み込んで聞くことができないのだろう。だからと言って、私にも言いにくいことがある。
こんな時、適当なことを言ってこの場を切り抜けることもできなくもないが、私は嘘をつきたくなかった。だから黙り込んでしまった。
「わかりました、本日は以上で結構です。結果は後日お知らせします」
この沈黙に耐えかねたのは面接官の方だった。
いくら真也さんの推薦でも、看護師免許を持っているだけで実務経験のほとんどない人間を雇ってもらえるはずがないと私にもわかる。
ああこれで終わったなというのが、私の感想だった。
「ありがとうございました。失礼します」
それでも、私はきちんと面接官に頭を下げてから会議室を後にした。
面接官としては私が退職した理由を聞きたいのだろうが、昨今のコンプライアンスの状況からうかつなことが言えずに黙ってしまったようだ。
まあね、どんなことでもすぐにハラスメントになる時代だもの、面接官としてはこれ以上踏み込んで聞くことができないのだろう。だからと言って、私にも言いにくいことがある。
こんな時、適当なことを言ってこの場を切り抜けることもできなくもないが、私は嘘をつきたくなかった。だから黙り込んでしまった。
「わかりました、本日は以上で結構です。結果は後日お知らせします」
この沈黙に耐えかねたのは面接官の方だった。
いくら真也さんの推薦でも、看護師免許を持っているだけで実務経験のほとんどない人間を雇ってもらえるはずがないと私にもわかる。
ああこれで終わったなというのが、私の感想だった。
「ありがとうございました。失礼します」
それでも、私はきちんと面接官に頭を下げてから会議室を後にした。