契約シンデレラ
圭史さんのお母様が現れたことで、集団の足が完全に止まってしまった。
たまたますぐそばの柱の陰に隠れていた私も、その場から動けなくなった。
もちろん、話を盗み聞きするつもりがあったわけではない。
ただ逃げ出すタイミングを逸しただけだ。
「それで、例の話をお断りするからにはそれなりの考えがあるのでしょうね?」
「それは・・・」
「ただ嫌ですだけでは話にならないのよ」
「・・・わかっています」
珍しいな、いつも余裕しゃくしゃくだった圭史さんが困惑の様子。
私はなぜかその顔が見たくなって、ちょっとだけ柱から顔を覗かせた。
後になって考えれば、この行動が全ての元凶だった。
私が興味本位で顔を上げたばかりに・・・
「え、晶?」
圭史さんと目が合ってしまった。
たまたますぐそばの柱の陰に隠れていた私も、その場から動けなくなった。
もちろん、話を盗み聞きするつもりがあったわけではない。
ただ逃げ出すタイミングを逸しただけだ。
「それで、例の話をお断りするからにはそれなりの考えがあるのでしょうね?」
「それは・・・」
「ただ嫌ですだけでは話にならないのよ」
「・・・わかっています」
珍しいな、いつも余裕しゃくしゃくだった圭史さんが困惑の様子。
私はなぜかその顔が見たくなって、ちょっとだけ柱から顔を覗かせた。
後になって考えれば、この行動が全ての元凶だった。
私が興味本位で顔を上げたばかりに・・・
「え、晶?」
圭史さんと目が合ってしまった。