契約シンデレラ
職業柄なのかもしれないけれど、理央は時々ロマンチックな妄想を発動させることがある。
「白馬に乗った王子様が迎えに来るかもしれない」なんてことを真顔で言ったりもする。
普段ならそういう理央のことをかわいいなと笑って見ているのだけれど、今回はそういう気持ちにはなれない。
何しろ私の身に実際に起きている事なのだから。
「別にシンデレラとかではなくて、お母さまから勧められているお見合いを断るためのカムフラージュになって欲しいってことらしいわ」
「それって恋人のふりってことでしょ?」
「うーん、そうなのかなあ」
そこまで深い意図はないのだと思うけれど・・・
「それが就職の条件なの?」
「いや、そうとは聞いていない。でも、何しろ社長だから色んな忖度が働いたとしても不思議ではないわね」
圭史さんは何も言わなかったけれど、こんなに早くに採用が決まったってことは裏で手を回されたのかもしれない。
「どちらにしても、晶がいいと思えばいいんじゃない。晶だって嫌なことを無理してしようとは思わないでしょ?」
「うん、まあね」
良いも悪いも私はすでに、圭史さんにパートナーが必要な時には協力するとの口約束を交わしてしまった。
「白馬に乗った王子様が迎えに来るかもしれない」なんてことを真顔で言ったりもする。
普段ならそういう理央のことをかわいいなと笑って見ているのだけれど、今回はそういう気持ちにはなれない。
何しろ私の身に実際に起きている事なのだから。
「別にシンデレラとかではなくて、お母さまから勧められているお見合いを断るためのカムフラージュになって欲しいってことらしいわ」
「それって恋人のふりってことでしょ?」
「うーん、そうなのかなあ」
そこまで深い意図はないのだと思うけれど・・・
「それが就職の条件なの?」
「いや、そうとは聞いていない。でも、何しろ社長だから色んな忖度が働いたとしても不思議ではないわね」
圭史さんは何も言わなかったけれど、こんなに早くに採用が決まったってことは裏で手を回されたのかもしれない。
「どちらにしても、晶がいいと思えばいいんじゃない。晶だって嫌なことを無理してしようとは思わないでしょ?」
「うん、まあね」
良いも悪いも私はすでに、圭史さんにパートナーが必要な時には協力するとの口約束を交わしてしまった。