契約シンデレラ
近ずく距離は危険な兆し
龍ヶ崎建設に就職して数日が過ぎた。
圭史さんは悪い人ではないと思いながらも、心のどこかで距離をとろうとしている私がいて、それでも勤務に就けば必然的にかかわることがあり個人的な感情を出すことのできない日々が始まった。
「今日は早めに切り上げるか」
いつも忙しくて残業続きの圭史さんがそう言ったのは夕方6時を過ぎた頃だった。
確かに今日は会議や来客が続きゆっくりとお昼を食べる時間もなく、コンビニのおにぎりを頬張っただけの私もかなりお腹が空いた。
「晶、この後予定があるか?」
「いいえ」
今まで圭史さん付きの秘書は森山さんだけで、来客の対応などは秘書課の女性スタッフがしていたらしいのだが、この度私が採用になったことで圭史さんにかかわる雑務は私の仕事となった。
当然スケジュール管理にかかわることになるし、一緒にいる時間も長い。
「じゃあ、食事をして帰ろうか」
「いや、それは・・・」
すでに上着に手をかけた状態の圭史さんが私を振り返っているから、どうやら私の同行が決定しているようだ。
しかし、相変わらずお財布に余裕のない私には贅沢をする余裕はないのだが・・・
「いいからついて来い。話もあるんだ」
と言われれば断ることもできず、
「・・・・はい」
私は渋々同行することになった。
圭史さんは悪い人ではないと思いながらも、心のどこかで距離をとろうとしている私がいて、それでも勤務に就けば必然的にかかわることがあり個人的な感情を出すことのできない日々が始まった。
「今日は早めに切り上げるか」
いつも忙しくて残業続きの圭史さんがそう言ったのは夕方6時を過ぎた頃だった。
確かに今日は会議や来客が続きゆっくりとお昼を食べる時間もなく、コンビニのおにぎりを頬張っただけの私もかなりお腹が空いた。
「晶、この後予定があるか?」
「いいえ」
今まで圭史さん付きの秘書は森山さんだけで、来客の対応などは秘書課の女性スタッフがしていたらしいのだが、この度私が採用になったことで圭史さんにかかわる雑務は私の仕事となった。
当然スケジュール管理にかかわることになるし、一緒にいる時間も長い。
「じゃあ、食事をして帰ろうか」
「いや、それは・・・」
すでに上着に手をかけた状態の圭史さんが私を振り返っているから、どうやら私の同行が決定しているようだ。
しかし、相変わらずお財布に余裕のない私には贅沢をする余裕はないのだが・・・
「いいからついて来い。話もあるんだ」
と言われれば断ることもできず、
「・・・・はい」
私は渋々同行することになった。