契約シンデレラ
「もしかして、社長のマンションに住んでいるのか?」
「それは・・・」
「だったらどうだというんですか?」

答えられない私に代わって圭史さんが答えるけれど、真也さんの視線は私をとらえたまま離してはくれない。

「晶、どうなんだ?」
「えっと・・・」

今更嘘なんて付けないのはわかっている。
実際に圭史さんのマンションに住ませてもらっているわけで、そこは認めるしかないのだが・・・

「彼女は今俺のマンションに住んでいます」

圭史さんと行動を共にすれば、同居は周囲にも知られることになるだろうと覚悟はしていた。
お金をもらって恋人役を買って出たからには、当然の代償だとも思う。
でも、出来ることなら真也さんには知られたくなかった。

「晶、お前はそれでいいのか?」

それは挑んでくるような真也さんの言葉。
だからと言って嘘をつくこともできず、
「・・・ええ」
私は一言だけ返事をしてうなずいた。

「そうか、それがお前の意思なら何も言わない。ただ、がっかりだ」

え?
私は反射的に顔を上げた。
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