【激辛ヒューマンドラマ】マッチング
最終回
(キーッ!!ドスンドスン!!ギャー!!)

時は、午後2時50分頃であった。

ところ変わって、富田新港町《とみたしんこう》にある日本食研《ショッケン》の本社《キューデン》の敷地にて…

敷地内に5トンのユニックが侵入したあと、事前撮りをしていたカップルさんたちに突っ込んだ。

その後、ユニックに乗っていた智大《ともひろ》が叫び声をあげながらナイフを振り回して暴れまわった。

この事件で、本社《キューデン》の従業員さんたち20人が死亡した。

少なくとも50人の従業員さんたちが負傷した。

うち、半数近くの従業員さんたちが生命にかかわる事態におちいった。

それから20分後であった。

(ズダダダダダダダダタダダダダタタ!!)

智大《ともひろ》は、駆けつけた愛媛県警《けんけい》の刑事たちが持っていたマシンガンによって撃ち殺された。

次の日の朝早くであった。

智大《ともひろ》の実家に電話がかかってきた。

電話は、和久田《わくた》の家の奥様からであった。

電話の応対は、紗希子《さきこ》がしていた。

5月のはじめ頃に予定していた温大《はると》と実央《みお》の挙式披露宴は中止にすると同時に和久田《わくた》の家に対してゴハイリョ願いますと言う知らせであった。

「そうですか…分かりました…温大《はると》に伝えておきます。」

(ガチャーン!!)

紗希子《さきこ》は、電話をガチャーンと切ったあと大きくため息をついた。

大広間のテーブルに汐夏《しおか》と綾乃《あやの》と年輩の男性が集まっていた。

紗希子《さきこ》が戻ったので、話し合いを始めた。

綾乃《あやの》は、心配げな声で紗希子《さきこ》に言うた。

「義姉《ねえ》さん。」
「和久田の奥様から『ゴハイリョ願います…』と言われたわよ!!」
「ゴハイリョ願いますって…」
「実央《むすめ》さんが…レイプの被害を受けたあと、コンスイ状態におちいりましたって…」
「実央《むすめ》さんがレイプの被害を受けたって…」
「他にも…本家の筆頭主《あるじ》がゴキトクになった…不幸事が多発したので…」
「もう分かったわよ…温大《はると》に伝えておくわよ…それよりも、汐夏《しおか》さんの今後のことをどうにかしないと…」
「そうね。」

このあと、汐夏《しおか》の今後のことについて話し合いをした。

テーブルにいる年輩の男性は、汐夏《しおか》の両親から身元引受人を頼まれた人であった。

綾乃《あやの》は、心苦しい声で汐夏《しおか》に言うた。

「汐夏《しおか》さん…汐夏《しおか》さん…」
「えっ?」
「汐夏《しおか》さん、話を聞いてるの?」
「えっ?」
「あのね…このうちは、近いうちに売却されることが決まったのよ。」
「家を売るって?」
「智大《ともひろ》が犯した通り魔事件で被害を受けた従業員さんたちと遺族《ごいぞく》さまたちにしはらう損害賠償金を作るためにこの家を売却するのよ。」

綾乃《あやの》から話を聞いた汐夏《しおか》は、大パニックを起こした。

「聞いてません!!」
「汐夏《しおか》さん…」
「アタシは、どうすればいいのですか!?」
「汐夏《しおか》さん、落ち着いてよ…」
「アタシはどこへ行けばいいのよ!?」
「だから、身元引受人の男性の方がお迎えに来たのよ。」
「アタシに双海《ふたみ》へ帰れと言うのですか!?」

大パニックを起こした汐夏《しおか》に対して、紗希子《さきこ》はおだやかな声で言うた。

「汐夏《しおか》さん、ねえ汐夏《しおか》さん…」

大パニックを起こした汐夏《しおか》は、泣きそうな声で言うた。

「アタシは、両親からカンドーされたのよ!!カンドーされたのに実家《いえ》に帰れなんてムジュンしてるわよ!!」

紗希子《さきこ》は、やさしい声で汐夏《しおか》に言うた。

「汐夏《しおか》さん、ご実家のおとーさんとおかーさんはカンドーを解くから帰っておいでと言うてるのよ。」

汐夏《しおか》は、ものすごく泣きそうな声で言うた。

「そんな話なんか信じない!!」

綾乃《あやの》は、ものすごく困った声で汐夏《しおか》に言うた。

「それじゃあ汐夏《しおか》さんはどうしたいのよ?」
「アタシは…女ひとりで生きていく!!」
「汐夏《しおか》さん…」
「アタシは24よ!!ひとりで生きていく力はあるわよ!!」
「それだったら、おとーさんとおかーさんと話をした方が…」
「アタシがなにを言うてもおとーさんとおかーさんは双海《ふたみ》にいなさいと言うわよ!!」
「それはおとーさんとおかーさんの希望は双海《ふたみ》にいてほしいと言うてるのよ!!」
「キーッ!!もういいわよ!!アタシをよってたかって押さえつけるのであれば考えがあるわよ!!」

思い切りブチ切れた汐夏《しおか》は、キッチンに駆け込んだあと出刃包丁を手にした。

その後、ワーッと叫びながら大広間にやって来た。

「汐夏《しおか》さんやめて!!」

紗希子《さきこ》は、出刃包丁を持っている汐夏《しおか》に対して『やめて!!』と叫んだ。

汐夏《しおか》は、出刃包丁で身元引受人の男性を斬《き》りつけて殺した。

その後、汐夏《しおか》は出刃包丁を首すじに突きつけた。

紗希子《さきこ》と綾乃《あやの》は『やめて!!』と呼びかけた。

汐夏《しおか》は、紗希子《さきこ》と綾乃《あやの》に対して泣き叫びながら言うた。

「なによあんたたち!!」
「汐夏《しおか》さんやめて!!」
「アタシは女ひとりで生きていくと決めたのに、双海《ふたみ》へ帰れと言うたから怒ってるのよ!!」
「汐夏《しおか》さんやめて!!」
「来ないで!!アタシは、マッチングアプリを使って男をつまみ食いした女よ!!」
「お願いだからやめて!!」
「アタシは双海《ふたみ》に帰るのはイヤ!!」
「汐夏《しおか》さん落ち着いてよ!!」
「汐夏《しおか》さんやめて!!」
「離して!!」

この時、綾乃《あやの》と紗希子《さきこ》が汐夏《しおか》を止めに入った。

綾乃《あやの》と紗希子《さきこ》は、汐夏《しおか》に対して思いとどまるようにと言うた。

「汐夏《しおか》さんやめて!!」
「離して!!」
「お願いだから双海《ふたみ》の実家《いえ》に帰って!!」
「イヤ!!双海《ふたみ》に帰らない!!」
「おとーさんとおかーさんは帰っておいでと言うてるのよ!!」
「双海《ふたみ》に帰らないと言ったら帰らない!!…アタシをぺちゃんこにつぶしたからぶっ殺してやる!!」
「ぎゃあああああああああああああああ!!」

思い切りブチ切れた汐夏《しおか》は、綾乃《あやの》と紗希子《さきこ》を出刃包丁で斬《き》りつけて殺してしまった…

大量の血に染まった出刃包丁を見た汐夏《しおか》は、このあと過激な行動に出た。

(ドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバ…)

汐夏《しおか》は、赤い携行缶に入っていた揮発油を家中にまいた。

汐夏《しおか》は、火を放ったあと家から飛び出した。

(ゴーッ!!ドカーン!!)

智大《ともひろ》の実家は、大爆発を起こしたあと激しく燃え上がった。

家から逃げ出した汐夏《しおか》は、県道大西波止浜港線に入ったあと今治方面に向かって歩いた。

この時であった。

汐夏《しおか》の後ろから恐ろしい覆面をかぶった男がやって来た。

男は、汐夏《しおか》をはがいじめにしたあと人けのない場所へ引っ張って行った。

「イヤ!!離して!!離して!!」

ところ変わって、かもいけ海岸にて…

汐夏《しおか》は、覆面をかぶった男にはがいじめにされた状態でここに来た。

このあと、同じ柄の覆面をかぶっている男・数十人たちが汐夏《しおか》を手ごめにした。

「やめて!!イヤ!!イヤ!!イヤ!!」

汐夏《しおか》は、数十人の男たちに衣服と下着をズタズタに切り裂かれた。

全裸《はだか》にされた汐夏《しおか》は、数十人の男たちに手ごめにされたあと命を落とした。

真剣に結婚相手を見つけるために利用していたマッチングアプリの使い方をあやまった汐夏《しおか》は、地獄へ墜《お》ちた。

マッチングアプリを正しく利用する方法はなんでしょうか?

マッチングアプリがだめ…

あれもだめこれもだめ…

他に出会いの機会を得る方法はないのですか?

じっと待っていれば結婚相手に出会えるコンキョはなんでしょうか?

結婚やめますか?

それとも…

…………

【墜落】
< 11 / 11 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

【ミセスのガマンフマン】ミセスのゲキジョー

総文字数/70,709

実用・エッセイ(その他)14ページ

表紙を見る
佐伯達男のテレビのハナシ

総文字数/75,614

実用・エッセイ(その他)30ページ

表紙を見る
表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop