放課後の片想い
「え?ここの文法どうなってんの?」

「ここは現在完了進行形だよ。この動詞が…」

「え?進行形やのに完了してんの?」

「あっそれはこれがね…」




「成田…お前ヤバイな」

「中学からやり直せ。日和がお前の家庭教師みたいになってて自分の勉強出来てへんやん」



私と桜ちゃんのやり取りを見て呆れている様子の2人。




「私は大丈夫だよ!みんなで勉強すごく楽しい!」

「日和…優し過ぎる!!あんたら帰って」



「これわからへんわぁ。これであってる?」

「こうじゃね?」

桜ちゃんを無視する2人。


「無視するなー!!!」


嘘みたい。
こんな楽しい時間を友達と自分の家で過ごせるなんて。




泣くつもりがないのに涙が溢れてくる。


学校での涙とは違って、嬉しくて幸せな喜びの涙。



「日和!?泣いてる!?」

「ごめんね!桜ちゃん!違うの‼︎」


「どうした?」




「嬉しくて…友達が出来た事もこうして家に来てくれる事もこんなに賑やかな事も全部が嬉しすぎて…‼︎」


空気を壊しちゃってるのはわかってる。

でも、素直に伝えたいって思った。




ぎゅっ!!

「私も嬉しいー!!大好きやからね!日和」

「ありがとう、桜ちゃん!私も大好き!!」



「これからも色んな思い出、このメンバーで作ればいいやん」

私と桜ちゃんは鈴原くんの方を見て目をパチクリ。


「へぇ〜たまには良いこと言うなぁ。俺も賛成♪」

「やっぱり前言撤回で3人でええやん」

「おい!!」



鈴原くんがそんな事言ってくれるなんて。
そして加藤くんも賛成って。



「みんな、ありがとう!!」


学校での出来事を吹き飛ばすぐらい、たくさんたくさん笑った。
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