放課後の片想い
「日和が中学の頃、辛かったのは知ってた」


ひなちゃん?


「でも、全寮制に通ってる俺には何も出来なかった。いや、学校なんか関係なく俺に日和を助かる力がなかったんだ」


すごく悔しそうな顔をしている。



こんな表情、見た事ない。



「だから今度は絶対あんな思いをさせないって決めてた。今回帰ってこれる事になったから日和の学校の様子をとにかく知りたかった」


学業やバスケで大変なのに、私の事をそんな風に思ってくれていたの?



「正直安心した。桜さんたち含めてすげー良い友達が出来てたのが。でも…」


「鈴原さんとの関係を《付き合ってるフリ》って聞いた時、また日和が辛い思いするんじゃないかって一気に不安になったのと怒りが出てきて」


そっか…。。余計な心配をかけちゃったね。

「ひなちゃん、ごめんね」


「なんで日和が謝んの?俺が勝手に心配してただけ。でも、それも鈴原さんと話して解決したから」


私は鈴原くんの方を見た。

鈴原くんはこっちを見てニコッと微笑んでくれた。



私を守るためって説明してくれたのかな。



「俺の分も含めて、日和を宜しくお願いします」

ひなちゃんが頭を下げた。


「ちょっとひなちゃん!!」


「いや、俺こそ宜しくお願いします」

鈴原くんも頭を下げる。


「なんで!!??2人とも顔上げてよー!!」


パニックになる私を見て2人とも爆笑。



もう、なんなのよー!!
< 119 / 334 >

この作品をシェア

pagetop