放課後の片想い
それから毎週木曜日の放課後は音楽室に行くのが日課になった。


一応担任に話すと「全然使って〜」と、かなりラフだった。

まぁ、有難いけど。




10月の中旬。


少しずつ指を動かしていって、ソナチネやバッハなどを弾いていた。


少し違和感はあるけど、中学の頃に比べるとかなり動く。


昔のように、ただただピアノを楽しく弾く事が夢のような時間だった。





そんな日々を過ごしていた、年も明けた1月のとある木曜日の放課後。



いつものように自由に弾いていた。

すると扉の方から、カタンと音がした。


誰か来た?

そう思って扉を開けると



「えっ!?」


知らない女の子がしゃがみ込んでいた。



「どうした?」 

話しかけても応答がない。


もしかして寝てる?


その女の子は荷物を持ったまましゃがみ込んで眠っていた。


起こすべきなんかなぁー…

悩んでいると、その子の足元にノートが落ちていた。


開いて落ちていたので拾った拍子に少し中身が見えてしまった。
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