放課後の片想い
告白
「……」
「とりあえず、俺の気持ちわかった?」
鈴原くんの苦しみ
ピアノへの情熱
私を探してくれていた事
「なんで日和が泣くの?」
涙が止まらない。
どれほど辛かっただろう。
大好きなピアノが弾けなかった時
それを受け入れなきゃいけない時
色んな思いの中、こっちに来たんだね。
「…すごく…辛かった…よね。私には…想像でき…ない…」
泣いているせいか、うまく話せない。
「でも…」
「うん…?」
そんな途切れ途切れの私の言葉を、鈴原くんは優しく聞いてくれる。
「私…鈴原くんが…もう一度ピアノをしてくれて…本当によかったって思っちゃってるの…」
「うん」
「鈴原くんは…すごい葛藤や辛い事いっぱいだったのに…簡単にこんな風に思っちゃって…ごめんなさい…」
大好きな鈴原くんの音色。
それは、こんなにも辛くて色んな思いが詰まってたんだと思うと簡単に言葉に表せられない。
だけど
それでも
私はあなたの音色が好きで、あなたがピアノをしてくれている今を喜んでしまうんだ。
そんな自分がなんだか許せない。
「あのさ、日和」
私の涙を指で拭ってくれる。