放課後の片想い
「…ほんま日和はすげーな。なんでもわかる」


え?

「お礼も好きな気持ちもずっと言いたかった」



ドキンドキン


「私も…」


私もちゃんと言いたい。





「私も…すごく…すごく大好きだよ。彼女役のままでもいいからそばにいたいって思うぐらい好き」


一度言葉にすると、水のように溢れて止まらなくなる。


「人をこんな風に思ったのは初めてで…わからない事いっぱいなんだけど…大好きだから…んっ!!」


キスで口を塞がれる。



「ふぁっ…」

息をする間もないぐらいのキス。


鈴原くん…!!

前のように、鈴原くんの舌が口に入ってきた。



ドキドキドキドキ


鼓動が速くなる。



「日和も…して…?」


恥ずかしい

だけど


「…いい子」



もっと触れたい。

触れてほしい。



唇が離れていく。



やだ


離れないで



気付けば自分からキスをしていた。



「日和…」


離れたくない





一瞬離れる唇。


「日和…これ以上すると俺、ほんまに止められへんで?」


その言葉にハッとする。



「あ…えっと…」


顔は相変わらず真っ赤。



「これ以上する?」

そう覗き込んで言ってきた鈴原くんの顔は、意地悪な顔。


「…バカー」


「はいはい。俺はバカです」



でも


「そんな鈴原くんも大好きだよ」


今まで言えなかった分、たくさんの《好き》を伝えたい。



「やっぱりお前わかってへん」


そう言って、またキスをくれた。




「飯でも食いに行くか」


「うん!!」


今年の夏は、忘れられない夏になる。
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