放課後の片想い
「なぁ」
「ん?」
「俺、日和とほんまに付き合ったから」
「……知ってる」
「お前に悪いとは思ってへんからな?」
「思っていらんし」
先に乗り場に着いた2人は、こっちを見て早く来てーと叫んでいる。
「最近、桜と仲良いみたいやん?」
「成田はすごいいい奴だよな。だから心配になる」
「心配?」
「なんか全部1人で抱え込むんじゃないかって」
加藤はやっぱすげー奴やなって思う。
「あぁ…アイツそういう奴なんよ」
「まぁ、俺がおるから安心して」
そう言いながらこっちを見て笑う加藤。
「でも前川はちょっとでも傷つけたりしたら、遠慮なく奪うからな!」
「出来るもんならしてみろ」
鈴原くんと加藤くんが何か話しながらこっちへ来る。
なんだかすごく楽しそう。
「ギャーッ!!!!!」
家族で小学生の頃に来た以来の遊園地。
そしてジェットコースター。
あまりの怖さで叫びまくりで、その様子を見て爆笑の桜ちゃんたち。
「前川さぁ、無理ならちゃんと言わな」
心配そうに言いながらくくくっと笑いを堪えている加藤くん。
「すごい笑ってるけど!!」
こんな時間も全部楽しい。
それからもたくさん乗り物に乗って、お昼を食べたりお土産を見たりした。