放課後の片想い
叶わない片想い 1st side 桜×加藤
こんな不器用で、お人好しっているんやなぁ。
それが、加藤を知りだしてからの1番の印象。
むっちゃ日和の事が好きやのに言えない。
悠に取られそうなのに。
———…6月のとある梅雨で蒸し暑くて雨が降っていた木曜日。
木曜日の放課後は何があるか私は知っている。
悠に聞いてるし。(日和はその事を知らないけど)
でも、もう1人知ってる奴がいた。
「毎週木曜日、2人で会ってるよな」
帰り道、ふとそんな事を言い出した加藤。
なんて言おう…
「…わり!変な事言って」
そりゃ、気になるよね。
「そうやね。この時間は2人にとってすごい大切やと思うから」
私は詳しくは言わないけど、なんだか嘘はつきたくなかったから話してしまった。
加藤は少し驚いたような顔をして
「はは!成田ってほんとに変な奴!」
そう言って笑うから、なんだか胸がぎゅーってなった。
絶対辛いよね?
好きな子が別の男子といるんやで?
「なんで笑ってるん!?」
思わず大声を出してしまった。
「あ…えっと…」
どうしよう、勢いで言ってしまった。
「…好きな子が幸せだったら最高だろ?」