放課後の片想い

コンビニを出て、カフェに向かう。


……………


あれ?


なんだ、この沈黙は。


私から話しかければいいんやろうけど、なんか話しかけづらい雰囲気。


バイト終わりでやっぱり疲れてるよね?
無理強いさせちゃったかなぁ。


どうしよう…



「足立と仲良いん?」

え?
「え?」

心の声がそのまま声に出てしまった。


「足立?仲良いって言うか、なんかちょっと前から話しかけられるようになってん」

「ふーん…」


なんやろ。
なんか機嫌悪い?

やっぱり無理させてもたなぁ。


「ごめんな、バイト終わりで疲れてんのに無理矢理付き合わせちゃって」


私、最悪や。


「え?なんで謝るん?」

「だって…なんかしんどそうやな…って」

機嫌悪そうとは言えない。


「まじ!?ごめんごめん、全然疲れてへんし普通だから!」

少し焦っている感じの加藤。

「ほんま?気ぃ遣わんといてよ」


「遣わないよ。今も来たいから来たんだし」

そう言って優しく笑うから、途端に私はドキドキに支配される。


ずるいよ、加藤。

加藤の表情や仕草ひとつひとつに振り回されてる。

だけどそれが嬉しくて、時に悲しくて


加藤が好きなんやなと改めて実感する。



「もうすぐ遊園地だな。色々計画してくれてありがとう」

「ううん!むっちゃ楽しみやね!!」

みんなで遊園地!!!



クスクス笑う加藤。

「どしたん!?」

「いや、別に。成田、乗りたいものリストアップすれば?」

「ほんま!?まずはやっぱりジェットコースターやんな♪」

「そうだな。前川乗れるんかな?」


ドクン


2人の時に加藤から久々に聞く日和の名前。
それだけで、なんだか胸がざわめく。


うわー!!
そんな自分が嫌だー!!


首をぶんぶん振る。

「どうした?」

「え!?いや、なんもないよ!!」


わー…
嫉妬してるんかなぁ。

自分がほんまに嫌だ。
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