放課後の片想い
「おめでとうってちゃんと言えればよかったんだけどな。言えなかった。俺って小せえよな」
「そんな事ないよ!!」
「好きやねんから…そんな簡単におめでとうって言えないよ!!小さくなんかないよ!!」
大声で言い過ぎたせいか、はぁはぁと呼吸が荒くなった。
「…ほんとにありがとう。桜には何でも話せる」
あっ、また桜って…
「加藤、桜って…」
「あっわり…!なんか最近呼んでみたかって勇気出してみたんだけど…」
なにそれ…
なんでそんな可愛い事、今言うの?
日和の事、何か言葉をかけたい。
私でよければもっと何でも話してほしい。
だけど
名前で呼ばれたら、そんな感情が全部吹き飛んで自分の気持ちしかコントロール出来なくなる。
ううん
自分の気持ちすら、コントロール出来なくなってしまう。