放課後の片想い
「じゃあ、明後日補習終わったらコンビニ来てくれる?」

「うん!!」

「…もしテストで良い点取れたら…前に言ってたカラオケでも行こか」


なんですと!!??

「ほんまに!!??」

「うん」

「約束やで!!絶対やで!!」

「はい、約束」

興奮している私を宥めるように、小指を出す加藤。

ドキン

「約束しよっか」

「…うん」


この日から徹夜生活が始まったのは言うまでもない。


そして、加藤をもっともっと大好きになった。



自分の気持ちが言えない片思い。

それでもいいの。




あなたを大好きになって良かったと思えた、大切な夏の思い出。






————————————


後日談。



「ちょっと!!冷やしてた私のジュースは!?」

冷蔵庫を開けると、加藤がくれたジュースがない。


「あぁ、あれ桜のやったんか。ごめん、パパ風呂上がりに飲んじゃったから明日買ってくるわ」


はぁ!!!????



「なんで人の物勝手に飲むん!?ありえへんねんけど!!パパなんか、嫌いや!!!」


「え!!??桜!!??」


大人気ない私の勝手な怒りにショックを受けたパパ。

次の日買ってきてくれてたけど、そういう問題じゃないねん。
加藤がくれたのに。


ちょっとしたプチ親子喧嘩が起こったのも、良い思い出と言う事で。
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